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開催期間
2005年9月10日(土) ~ 11月26日(土)
印傳の模様の中には文字を意匠化した特異な表現が見られます。
文字を工芸の意匠として用いた例は、古くからあります。和歌の歌文字の一部を模様化した「葦手絵」や、壽の書体を多種配した「壽字尽し」はその好例です。
文字を意匠化した印傳の代表例としては、革羽織があげられます。革羽織はもともと武士の洒落着でしたが、明暦の大火(一六五七年)以後は火事装束として武士ばかりではなく、町火消の頭なども着用するようになりました。時代が下るにしたがって一般の町人にも普及し、勇肌を誇示する伊達着としてもてはやされました。
町人の革羽織には意匠化された文字が積極的に採用されています。背や襟には力強い独特の形態の「力文字」により家名や屋号が表され、山形・丸・四角などとの組み合わせにより商標としても表現されています。
裾廻りには、篆書体から派生したといわれる「角字」により、屋号などが表されています。角字は漢字を極度に意匠化することにより、模様としての視覚的効果を高めています。また同時に、判読しにくいため謎解き的な要素を含み、当時流行した「判じ絵」とも共通し、人々の洒落や遊び心が反映されています。
「力文字」や「角字」は、火事頭巾・信玄袋・財布などにも応用されています。また家名や町名などを入れた誂え品にも、文字の意匠化に工夫が見られます。
印傳の模様を表す技法には「燻」「漆付け」「更紗」がありますが、文字意匠の表現には「燻」が多く用いられているのが特徴です。
*この展示は終了しております。