八日町コラム その2 朝の風景

夏休みに入り、印傳博物館の駐車場でも朝のラジオ体操が始まった。
かつては町単位で行っていた体操が子供の人口減少でここ数年は八日町をはじめ7つの町が一緒に行っている。

朝早い起床は古今東西、子供たちにはつらいのだろう、眠い目をこすりながら輪の中に入っていく。
泣き出す幼児をあやしながらの若いお母さん。
おばあちゃんにおんぶされたままの男の子。
照れくさそうな中学生。
おじいちゃんの手があったったとむずがる子。
中央に置かれたラジオを不思議そうにいじって遊ぶこどももいる。

今では地元のおばちゃんになった熟年層の私だが、
10数年前はお母さんとして子供たちと共に参加していた。
おはようのあいさつの声が小さかったこと、体操の手がだらだらとしていたことを
朝からガミガミとわが子に叱っていた自分を思い出す。
体操も挨拶も未熟で良かったんだ・・・と。
“そこに集うこと”に意味があり、十分だったと。
ともに参加するだけで伝わることは沢山あったのだ。

老若男女が自然に居合わす朝のひととき、集うことを積み重ねて、
みんな「この町の人」になっていく。
朝一番の空気を吸って、平和な輪の中にいる自分を感じた。