- 2017年6月19日
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印傳の模様―唐草の美―
唐草は植物の茎や蔓が絡み合って伸びている様子を図案化した模様です。更にそこに花や葉や果実などが加わり独特の曲線模様が表現されています。甲州印傳においても唐草の模様は多種あり、永く愛用されてきた模様と言えます。
唐草模様の歴史は古く、古代エジプトやギリシャ・メソポタミアに始まり、七世紀頃中国大陸を経由して日本に伝わったとされています。忍冬唐草・宝相華唐草・葡萄唐草・蓮唐草などが古く、これらの模様の多くは仏教芸術に伴って伝えられ、建造物や、工芸品を飾りました。平安時代以降は菊・梅・桜・桐などの花をモチーフに和様の唐草が考案され、近年になると着物の型紙染の模様として普及し、布団地・風呂敷などの日用品に多用されました。
収蔵品には菊唐草と花唐草の資料が多く遺されています。菊唐草は型紙を用いた漆付けによって点の構成にて表現され、三ッ巻財布などに多く見られます。一方で花唐草は、更紗の技法などによって鮮やかな色が施され、唐草の流麗な模様の美しさが際立っています。
唐草模様の軽妙で躍動的な曲線は、遥かな歴史と共に現代の人々にも愛好されています。
【印傳の模様 —唐草の美― 平成29年6月17日(土)~平成29年9月10日(日)】