印傳の模様-漆で描く-

今回は漆付け技法による絵画的な模様を特集しています。
高度経済成長期に服装や生活様式が徐々に変化し、大胆かつ斬新な模様が好まれるようになり、印傳屋のバックや小物の模様にも小紋だけでなく流行が取り入れられました。
昭和40年頃の製品の中に和洋折衷の試みとして浮世絵を模した印傳が遺され、これらの模様は現在「印傳の漆絵」に活かされています。
印傳の漆絵は、江戸時代の浮世絵や挿絵をもとに様々な風俗が描かれており「麦湯店」「凧の卸売り」「粟餅屋」「白酒売り」「油売り」「舌切り雀売り」「醤油売り」といった当時の珍しい物売りの様子や庶民の生活する姿を見ることが出来ます。平面上の絵画での漆による繊細な点や線の表現が叶い、見所の一つと言えます。
今回は印傳の漆絵を中心に陳列しています。漆の多様性と印傳の装飾の可能性を感じていただければと思います。
【印傳の模様-漆で描く- 令和3年11月20日(土)~令和4年2月27日(日)】
※休館日令和4年1月1日・2日