小桜革と菖蒲革

小桜革と菖蒲革

甲州印傳には植物の模様が多く見られ、中でも小桜模様は年代を問わず親しまれています。桜は現在、日本の国花にも指定されていますが、桜の趣の潔さが武将に好まれ、鎌倉時代には鎧の一部に模様として用いられました。

菖蒲模様の菖蒲は根に健胃薬としての効能があることや「菖蒲湯」の風習等から邪気を払い疫病を防ぐいわれがあります。また、菖蒲の音が「勝負」「尚武」に通ずるところから武具の模様に多用されました。

小桜革・菖蒲革の多くは燻技法や藍染によって模様を表しています。防染剤として模様の部分に糊を置き、革に色付けを施した後、糊を削り取る「かき落とし」という作業を行っています。印傳屋での藍染の技法は昭和前期まで行われ、燻技法は現在の職人にも受け継がれています。

平成27年3月7日~6月7日(この展示は終了しています。)