お問い合わせ
開催期間
2006年9月17日(日) ~ 11月26日(日)
印傳の様々な製品の中で提物はバラエティに富んでいます。携帯ストラップやキーホルダー等各種あり、現代の提物に対する好みの一端を物語っているようです。腰に袋物や小物を提げて持ち歩く風習は世界各地でも目にしますが、日本では着物に帯という服装の文化が提物の発達に大きく影響していることが考えられます。
提物には火打袋から派生したのではないかとされる巾着、旅行用の小銭や薬入れとして使用された早道・入れ、携帯用の薬入れとして用いられた印籠等があります。巾着・早道・菎入れは鹿革・布・金唐革等で作られたものが多く、その装飾にも工夫が見られます。中でも印籠や提物の紐の先端につける根付は海外でも高い評価を得、収集家を魅了しています。古くは、日本武尊が火打袋を提げていたということが草薙の剣の逸話にも登場し、古墳時代の埴輪にも提物が見られます。近世になると成慶院の「武田信玄像」にも提物が描かれており、提物の実用例が見られます。時代が下ると、実用的な提物が装身具的となり、形や装飾にも工夫が 凝らされるようになります。
印傳の提物には巾着・早道・菎入れ等があり、鹿革に漆を塗る「地割印傳」や「松皮印傳」など から徐々に、「漆付技法」「燻技法」「更紗技法」によって模様や色が多様化しました。洒落や粋を 競い合った世想を反映して提物の装飾も華やかになります。最近若者の間で鍵やアクセサリーを ジャラジャラと提げたり、バッグや携帯電話に各種のキャラクター等をぶら提げている姿を見かけますが、提物愛好の一現象といえるようです。ところが近世初めの風俗画にも当時流行の若衆姿で印 籠や巾着等の提物を腰に提げ、踊りに熱中する様子が描かれており、時代を超えた好みであることが理解出来ます。
今回は荒川コレクションの印籠・根付と共に、珍しい佩飾各種を参考として陳列してあります。 近世初めから現代に至る提物の洒落を感じていただければ幸いに存じます。
*この展示は終了しております。