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開催期間
2007年3月4日(日) ~ 5月27日(日)
鹿革は軽く丈夫で加工し易いため、古来実用品に用いられてきました。現代では革製品と言うと女性の持ち物を連想しがちですが、近世に至るまで武具をはじめ男性の用具に多く使用されていました。
甲冑は本来防具として用いられたものですが、「大鎧」の例に見られるように、兜の形状、鳩尾・胸板の模様、威の彩り等は世界のどの国の武具にも例を見ない華麗な装いです。そこには日本人の美意識が端的に表れています。また、武具をはじめ男性の装いには「武」を象徴する模様が好んで用いられました。散り際の潔さを愛でられる”小桜〟「勝虫」と呼ばれた〝蜻蛉〟、「勝負」「尚武」 に音の通ずる〝菖蒲〟はその好例です。それは洗練された感性の結晶であるとともに、祈りや願い の心が込められています。
太平の世になると男性の装いにも変化が見られ、革は巾着・菎入れ等の提物や袋物といった身の回り品として多用されました。一方、革羽織や火事頭巾は実用とともに心意気や伊達を競い合う装いでもありました。家紋や屋号、力文字や角字は意匠化されて愛用され、遊び心とともに当時の人々の仲間意識を高揚させる効果も見られたようです。
今回は、印傳の古典作の中から男性の装いを選んで展示してみました。武の心・伊達の姿を観照 していただければ幸いです。
心意気や伊達を競う心から意匠を選ぶことは、昔も今も変わることはないでしょう。現在、男性用の印傳製品はさして多くはありませんが、古くから傳承された「燻」「漆付け」「更紗」の技法を護りつつ、斬新な意匠の開発にも取り組んでいます。併せて新製品にも御注目下さい。
*この展示は終了しております。