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開催期間
2007年9月16日(日) ~ 11月25日(日)
秋の訪れを待つ心は『古今集』の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」の歌によく表されています。そこはかとなくそよぐ風に、秋の気配を察する繊細な感覚が詠まれています。これは、自然の移り変わりに鋭敏に感応する日本の風土的特質といえるでしょう。日本では古来、詩歌や絵画に好んで秋を取り上げています。特有の暑さからの解放を求めるとともに、豊穣の季節に対する祈りと喜びもこめられているでしょう。
印傳の秋の模様として、菊・鹿・とんぼ・月等を取り上げました。菊は中国伝来の植物ですが、日 本でも秋を代表する花として好まれています。紋章や幾何文・唐草文にも応用され、模様として変化に富んでいます。菊酒や菊慈童等の物語としても親しまれ、「齢草」「百世草」とも呼ばれ、その姿とともに香りも好まれて来ました。
鹿はその軽快な姿が描かれ、牝を呼ぶ牡鹿の声が、秋のわびしさとして詠まれました。印傳は鹿革の素材的特質を生かした工芸品であり、鹿の模様は印傳の象徴ともいえ、秋の夜に鳴く鹿の声 も秘められているかもしれません。
とんぼは「あきつ」と記され、「アキツムシ(秋の虫)」が語源ともいわれます。秋空を飛ぶ姿は清涼感があります。とんぼは「勝虫」の異称から後世尚武の模様として武具に用いられました。
秋の冴えた月は、「中秋の名月」の宴で人々に鑑賞され、団子・里芋・栗等を供えて収穫を祝います。鹿革に燻・漆付・更紗の技法を用いて装飾を施すのが印傳の特徴です。秋の模様に表れた風情とともに技法にも御注目下さい。
*この展示は終了しております。